前回の記事は、効果的なHTMLメールのデザインに関する内容でしたが、ご覧いただけましたでしょうか?
今回は久しぶりの更新のため、前回までとは毛色を変えて、とある施策にフォーカスしました。それは『かご落ちメール』です。
こちらの記事をご覧の皆様は、"ショップに訪問した際には、必ず何かしら購入"しますか?おそらく、決してそうではありませんよね。
もちろん、行くまでに時間も経費もかかるような場所であれば、多少妥協してでも何か買わないとと思うでしょう。
しかしネットショップだと、いつでもどこでも見れて買えるという特性上、たいていの場合は他のショップの情報と比較し、SNSの投稿を検索し、ショップ内でもかごに入れたり削除したりと、すぐに購入に至るケースはあまりないのではないでしょうか?
当社の調査結果によると、なんとカートに商品を入れたお客様の70%以上は、商品を購入せずにサイトを離脱しているのです。
今回は、そんな「購入一歩手前=商品をかごに入れた状態」を思い出させ、強く購入の後押しをする施策として大人気の『かご落ちメール』について、あらためて理解を深めてみましょう。
かご落ちメールが売上アップに効く理由
さて、かご落ちメールが売上アップに効く理由の前に、まずはメールマーケティングの基本をおさらいしましょう。
有識者インタビューに記載のように、メールマーケティングで効果をあげる基本は「伝えたい内容を、伝えたい相手に、伝わる表現で、適切なタイミングで伝える」ことです。
かご落ちメールは、この基本を完全に押さえた施策であるため、高い効果が見込めるのです。
- <かご落ちメールの場合>
- 【1】伝えたい内容 : かご落ち(カートに入ったが、購入には至っていない商品)
- 【2】伝えたい相手 : かご落ちが発生したユーザー
- 【3】伝わる表現 : かご落ちした商品をシンプルに「お買い忘れはありませんか?」と訴求
- 【4】適切なタイミング : かご落ち発生直後ではなく、迷っている頃や忘れた頃に数回
こうしてまとめてみると、それぞれのポイントをきっちり押さえています。
実はかご落ちメールの場合、特に工夫せずとも、開封率50%、CTR15%、CVR7%を超えることは決して珍しくありません。
これがどれくらいすごい数字であるかは、メールマーケティングに取り組んでいる方ならわかるはず。
しかし、かご落ちメールは決して万能ではなく、もちろん不向きとされることもあります。
それは、成功させることが最も難しいと言われる、「ブランディング(出典元:Wikipedia)」、「顧客エンゲージメントの構築」です。
かご落ちメールがブランディングには効かない理由
ここで、メールを配信する目的・いわばメールマーケティングの目的について振り返ってみましょう。
過去掲載分『ちょっとした工夫で売上UP!メルマガ最新企業事例』にもあるように、その目的とは以下の4つです。
- 1 ブランドの継続的な想起
- 2 顧客リストの活性化
- 3 ファン育成
- 4 販売促進
かご落ちメールが得意なことは、言うまでもなく「4.販売促進」ですね。
しかし、ブランディングや顧客エンゲージメント構築のためには、「2 顧客リストの活性化」は基本として、さらに「3.ファン育成」と「1.ブランドの継続的な想起」を中長期に渡って継続して行っていく必要があります。
かご落ちメールがなぜこれらを苦手とするかと言うと、このシンプルな訴求が仇となってしまうためです。
▼かご落ちした商品をシンプルに訴求する『かご落ちメール』かご落ちメールはシンプルかつ効果的な施策であるために、多くのショップが導入しています。
そのため、かご落ちメールにはショップ独自のカラーが出にくく、その時はサイトに戻って商品を買ってくれたとしても、ショップ自体の印象があまり残らないのです。
これでは、お客様がまたお買い物をしたくなった際、数あるショップの中から自分のショップを思い出してもらうことも、継続してリピーターとなりファンになってもらうことも叶いません。
短期的に売上アップは叶えられても、次につながらないことには、メールマーケティングの費用対効果は上がっていかないのです。
そのため、かご落ちメールを配信する際には必ず並行して、「2 顧客リストの活性化」、「3.ファン育成」と「1.ブランドの継続的な想起」も行っていきましょう。
そうすることで、ショップの認知度があがりサイト訪問が増え、かご落ちによる離脱を防ぎ、休眠客が減り、結果としてリピーターが増加し、ファンとなったお客様に支えられながら長くショップを継続できる、という結果をきっと得られるはずです。
はじめてのメールマーケティングにトライされる際、この記事の内容が少しでもお役にたてますと幸いです。