前回の記事で、メールのメリットや、効率的な作り方はお伝えしましたが、「一般的にメールマーケティングでよく利用されるメールには、どのような配信方式のものがあるのかを知りたい」と思われている方のために、今回はメールの方式についてまとめました。
通常、WEBメーラー(Gmailなど)からメールを送信する際には、即時配信が基本であるのに対し、メール配信システムやマーケティングツールを利用すると、以下の2つの配信方式を利用できるようになります。
①あらかじめ日時を指定して予約配信する『メルマガ』方式のメール
②特定の行動やイベントに基づき配信する『トリガー』方式のメール
上記は配信のしくみが異なるため、その配信対象者やタイミングが異なります。
しかし、違いがいまいちイメージできないという方も多いのではないでしょうか。
これからメールマーケティングをはじめようとお考えの場合、これら2つの違いを理解しておくことで、目的に応じたメール配信システム、マーケティングツールの選定をすることができ、配信設定や配信対象者へ向けた説明がスムーズにおこなえるようになります。
というわけで、今回はこの2つのメールの違いについておさらいしましょう!
広範囲なお知らせに利用する『メルマガ』方式のメール
①あらかじめ日時を指定して予約配信する『メルマガ』方式のメールとは、任意の指定日時に任意の配信対象へ向けて配信するメールです。
指定日時のみショットで、スポット的に配信するという意味で、MakeRepeaterではスポットメールと名付けています。
※よくあるステップメールという表現は、複数のメールを段階式に設定して配信するメールを指すため、ここでいうスポットメールとは意味が異なります
セールやイベント・キャンペーンなどの広告的な内容、かつ営業・販促目的であるケースがほとんどのため、配信対象は広範囲となる場合が多いです。
従来のメールマーケティングは、こちらの方式でおこなわれて来ました。
設定ハードルが低い反面、乱用すると即スパムボックス行きに
『メルマガ』方式のメールのメリットは、あらかじめ配信対象者の確認ができるため、メールマーケティングに不慣れな方でも設定しやすいことです。
そのために、週に複数回配信を繰り返したり、その情報を必要としていない人も対象に含めてしまったりしがちです。結果として、ショップ・サイトのブランドイメージを毀損し、最終的にはスパム認定や配信停止申請を促してしまうケースも少なくありません。
なお『メルマガ』方式のメールを送る場合には、配信頻度に注意するほか、配信対象の選定時に配信停止を希望している人は必ず除外し、対象となる人にも今後配信停止を希望する場合の手段を提供するため、メール内に配信停止申請方法を明記する必要があります。
※総務省のガイドライン参照(http://www.soumu.go.jp/main_content/000127185.pdf)
リスクを回避して『メルマガ』方式のメールの配信効果を得るためには、設定ハードルが低いからといってむやみに配信を繰り返さず、ショップ・サイトとしての配信ポリシー(配信目的、頻度、その時々の内容など)を決めた上で、計画的に配信設定をおこなうようにしましょう。
個別のおもてなし感を演出する『トリガー』方式のメール
②特定の行動やイベントに基づき配信する『トリガー』方式のメールとは、特定の行動やイベントをクリアした場合、そのトリガーに基づき配信するメールで、配信日時はその行動やイベントから○○日後の×時となります。
よって、○○日後の×時の部分は設定可能ですが、あらかじめ決まっている誕生日など以外は、予測できない未来であるために、誰が配信対象となるかの確実な予測ができません。
特定の行動やイベントに沿ったシナリオ設定(設計)をおこない配信するメールという意味で、MakeRepeaterでは『シナリオメール』と名付けています。
設定ハードルは高いが、有効活用することで顧客満足度がUP
『トリガー』方式のメールのメリットは、配信対象者の状況に応じた内容を届けることができるため、”まるで自分の状況に応じて丁寧に接客してくれているような印象、おもてなし感”を与えられることです。
たとえば、配送完了後○日目に「ご購入ありがとうございます。お届けした商品になにかお気づきの点はございませんでしたか?」とフォロー目的のメールを送ります。
みなさんも、おそらくこのようなメールを受け取ったことがあるかと思いますが、こちらは『フォローメール』と呼ばれる施策です。
一見シンプルなものであっても、何かしらの行動・イベント後の○日目という、自分の置かれた状況にマッチしている内容が送られてくると、「このショップは自分のことをわかってくれている」「丁寧だ」と感じませんか?
このように、『トリガー』方式のメールは、あらかじめいくつかのシナリオパターン(初回購入シナリオ、二回目以降購入シナリオなど)をセットしておくだけで、DMや TELによるアフターフォローのようなコストや労力をかけずに、オンライン上でおもてなし感を演出して顧客満足度UPのためのフォローを自動化することができるのです。
他にも、購入商品の情報を活用することで、無駄な訴求による開封率の低下を防いで効率的にアップセルやクロスセルを促すことなども可能です。
『メルマガ』方式のメールよりも設定ハードルは高くなりますが、最初だけ少し時間をとって、いくつかの設定さえしておけば、あとは時々効果を見て、必要に応じた最適化を都度すればいいだけなので、やらなければいけないことを複数抱えた方がこれからメールマーケティングをはじめるのであれば、ぜひおすすめのメール方式であると言えます。
メール方式の違いによるメリット・デメリット
今回おさらいした2つのメール方式のメリット、デメリットを以下の表にまとめました。
メール配信システム・マーケティングツールを選定時、また実際に設定する際目的に合うのはどちらなのか迷った場合などに、ぜひお役立てください。
『メルマガ』方式 (※スポットメール) |
『トリガー』方式 (※シナリオメール) |
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配信目的と使用例 | ■広告的内容、販促・営業目的 ■ショップ・サイト全体でおこなうセールやイベント情報を伝えたい |
■フォロー、アップセル・クロスセル訴求目的 ■特定の行動やイベント後のタイミングに応じた固有の情報を伝えたい |
配信対象 | ■基本的には広範囲 ■対象者の把握はあらかじめ可能 |
■基本的には少数 ■対象者の把握は不可(誕生日等であれば可能) |
メリット | ■設定ハードルが低い ■配信日時を指定できる |
配信対象者の状況に応じた内容を届けることが可能 |
デメリット | ■配信希望者に対してのみ配信可能 ■配信停止申請方法をメール内に明記する必要がある |
■設定ハードルが高い ■複数のシナリオを作り込みすぎると、どのタイミングでどれが配信されるか把握しきれなくなり、意図せず重複する可能性もある |
※MakeRepeaterでの分類名
はじめてのメールマーケティングにトライされる際、この記事の内容が少しでもお役にたてれば幸いです。