はじめてのメールマーケティング

ちょっとした工夫で売上UP!?メルマガ最新企業事例

前回の記事では、弊社ECコンサルティングチームのリーダーから、売上アップを叶えている企業様の最新事例をご紹介しました。

しかし、担っている役割や職務によって、語り方の切り口は異なるもの。
結局、踏まえるべき重要なことは一緒であっても、いろいろな方向からノウハウをインプットされたほうが、理解が深まりますよね。

そこで今回は新しい試みとして、デザイナーチームのマネージャーから、効果的なHTMLメールについて、以下の順にデザイナー視点で熱く語ってもらいました!

巷にあふれるメールマーケティングのノウハウには、なかなか無い視点の記事ですので、ぜひ参考にしてみてください!

はじめに

ひとくちに「メール」と言いましても使い道は多岐にわたります。

例えば、サービスの案内メール、利用状況の通知メール、メールマガジン、セールの案内メールなど。メールの配信者はもちろん、受信者もメールを使用する目的は内容によって異なります。

目的が異なるということは、もちろん伝え方も異なります。
目的を見失って、ひとつの手法にこだわった結果、効果が出ないということにならないよう、必ずターゲットを意識したメールを作成しましょう。

HTMLメールの作成方法や効果については、諸説ありますが、ここでは、HTMLメールの特徴を理解していただき、特にECショップ運営者様が購入者(もしくは会員)向けに送付するHTMLメールの、商品ページや特設ページへ遷移しやすくなるためのレイアウト方法、そしてイベントシーズンやセール時に効果的なHTMLメールの事例に絞ってご紹介させていただきます。

効果の高いHTMLメールとは

ECショップ運営者様がHTMLメールを使う目的は、「お知らせ」「集客」「ブランディング」など、使うシーンによって数多くあります。

目的によって求める効果も異なってきますが、ここでは集客から購入に至るメール、つまり受信者を商品購入まで誘導し、売上貢献度が高いメールを「効果の高いHTMLメール」と定義します。

よくありがちな失敗例のひとつに“送信者が伝えたい情報だらけのメール”があります。
つまり、受信者にとって不要な情報が混ざっていたり、情報が多すぎて本来伝えたい内容が全く伝わらないメールになっているといったものです。

メール作成時には意識する箇所として当たり前にみえる「件名」「本文」ですが、この2つのどちらかに問題があると、効果の高いメールが生まれることはありません。

もし、すでにメールを配信している場合には、いまいちど配信しているメールの「件名」と「本文」を確認してみましょう。
自分が受信者の立場になって読んでみたとき、そのメールが開封したい件名になっているでしょうか。
また、可能であれば実際にメールが開封されているかも含めて確認してみましょう(Make Repeaterでは配信されたメールの開封率も確認できます)。

件名の重要性についての詳細は、こちらの過去掲載分「やりっぱなしはNG!最初は開封率の改善にトライしましょう」をご覧ください。

クリック率をアップする方法

効果の高いHTMLメールの定義は上述したとおりですが、それでは、売上貢献度の高い本文とは、どういうものが考えられるでしょうか。

まず、ショップからメールを受け取る側の立場で想像してみましょう。
どういうメールなら喜んでクリックし、購入に至るプロセスを辿らせることができるでしょうか。いくつかポイントをご紹介します。

  • 【1】ファーストビューでどういうメールかを明確にする
  • 【2】統一した世界観を徹底する
  • 【3】商品のベネフィット(便益、利益)を明確に伝える
  • 【4】セクションごとに目立つCTA(Call to Action)ボタンを設置する
【1】ファーストビューでどういうメールかを明確にする

メール閲覧者が最初に目を向ける最上部エリアであるファーストビューは、HTMLメールでは特に重要で、内容次第では、あっという間にそのメールから離脱されてしまいます。

そのメールで一番伝えたい情報をビジュアル化して、かんたんにわかりやすいメッセージを用意しましょう。

たとえば、第一印象で、比較的かんたんに興味を惹きつけ、インパクトを与えやすいコンテンツといえば割引限定商品の案内です。
セールの案内やクーポンのお知らせ、限定商品がある場合には、大きなエリアを使って、わかりやすいメッセージを訴求しましょう。

▼メールサンプル
サンプル例1
【2】統一した世界観を徹底する

世界観を徹底するというのは、つまりデザイン処理を統一させることです。HTMLメールを作成する際には、デザイン処理の統一感を意識しましょう。ここでいうデザイン処理というのは、華美な装飾ではなく、文字やボタンの形や色、見出しタイトルの文字サイズの統一になります。

またメール単体だけでなく、複数回メールを配信するメルマガ等の場合にはすべてのメールでの統一感も重要になります。

配信元は同じにもかかわらず、送られてくるメールのフォーマットが異なると、受信者は配信元が違う?違うショップ?と混乱を生みかねません。

使用フォントの種類が多すぎたり、デザインで使用する色数が多すぎたりすると、人は本能的にグループ分けしようとします。
細かいことかと思われるかもしれませんが、フォントの数は2〜3種ほど、色数は3色程度にまとめましょう。
これらの細かい点に注意することで、統一感が保たれ、ブランディング効果も高まり、購入者に安心感を与えることで購入までのハードルを下げることが可能になります。

デザイン処理を統一することで得られる効果は「みやすさ」とブランディング効果による「安心感」の向上です。
ショップや商品のブランディングのために、統一してヘッダー部分には、ショップロゴや企業ロゴを設置しましょう。
まちがっても、複数回メールを送付するようなメルマガで、ロゴがあったり、なかったりといった統一感のないヘッダーのメール配信は、統一感を失うことで、ブランディングを損ない、商品自体の信頼を落としかねませんので特に注意しましょう。ので特に注意しましょう。

▼メールサンプル
サンプル例2
【3】商品のベネフィット(便益、利益)を明確に伝える

購入者は、単純にモノを手に入れるということ以外に、その商品を購入することで、どういう利益や体験を得られるか(ベネフィット)を求めています。
それをうまく伝えることで購入検討者の背中を押すことにつながります。
ベネフィットを伝えるためには、商品説明がとても重要です。
例えば、化粧品の場合、「貴重なローヤルゼリー配合の化粧品」という表現よりも「使うことで肌が美しくなり、肌年齢が5歳若返る化粧品」という購入後をイメージさせるコピーが特に効果的です。購入検討者が購入後にどういう体験をしたいかを具体的にイメージできるコピーを考えてみましょう。

また、そんなコピーをサポートしてくれるのが大きな商品画像です。
これは、ネットショップのサイト内でも同様ですが、小さく見づらい商品画像に魅力を感じてもらえる商品は、知名度が高い、もしくは一部ユーザーに認知度が高いものに限られます。(そのような商品については、もはや画像すら不要かもしれませんが)多くの商品については、どこかで見かけた商品や、はじめて目にする商品が大多数を占めています。

はじめて目にする商品で魅力を感じてもらうためには、商品画像を大きく使い、さらに利用シーンをかんたんにイメージできる画像も合わせて用意すると効果的です。

また、商材が食品の場合には、おいしそうな雰囲気を演出する、いわゆるシズル感を表現するためにも、大きな画像を効果的に利用しましょう。

▼メールサンプル
サンプル例3
【4】セクションごとに目立つCTA(Call to Action)ボタンを設置

メールの内容を確認した閲覧者がすぐにアクションを起こせるように、セクションごとにCTAボタンを設置しておくことは重要です。

また、ボタンをデザインする際、スクロールした際にも視線が流れてしまわないよう、十分な大きさで余裕をもった余白を使って配置しましょう。 ボタンに表記するテキストについては「詳細はこちら」という抽象的な言い方ではなく、「サンダルをもっと見る」や「セール商品の一覧を見る」といったように、クリック後にどういうページに遷移するという工夫も必要です。

クリック後にどういうページに遷移するのかわからないボタンは警戒心を生み、離脱の原因となります。HTMLメールをつくった最後には、安心してクリックできるボタンのテキストになっているかをユーザー視点で必ず確認してみましょう。

クリック率についての詳細は、過去掲載分「本番はこれから!クリック率をあげるために必要な考え方」をご覧ください。

▼メールサンプル
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まとめ

HTMLメールの内容を考える際に、必ず意識していただきたいポイントは、以下の3つです。

  • ・誰に伝えるか
  • ・何を伝えるか
  • ・どう(行動)してほしいか

まず、「誰に伝えるか」というのは、いわゆる「ターゲット」です。

メールを配信する相手は、男性ですか?女性ですか?個人ユーザー?法人ユーザー?年齢層はどれくらいですか?
というところから、メールの内容によっては、 そのターゲットのメールを閲覧する時間帯は?どういう趣味嗜好を持っている人ですか?どういう家族構成ですか?など。
相手が見えていない状態で作られたメールの効果が低いのは明白です。
必ずターゲットを明確にイメージしましょう。

次に、「何を伝えるか」です。配信者はどうしても伝えたいことが増えてしまいがちです。
あれもこれもと情報を詰め込んだ結果、何を伝えたいのかわからない、ごちゃごちゃしたメールになってしまいます。
内容的には、とてもお得な情報だったとしても、受信者は読むことを止めてしまいます。
キャンペーン情報のご案内ですか?新着商品のご案内ですか?ショップ情報のご案内ですか?
受信者に何を一番伝えたいのか優先度をつけて、明確にしましょう。

最後に、そのメールを読んで「どう(行動)してほしいか」です。
ネットショップ運営者が使用するHTMLメールの多くは、ショップへの誘導、そして商品を購入いただくという目的が多数ではないでしょうか。
メールの中身をみてもらう、伝えるだけでは、不完全ですね。
メールを読み進んでいった先に、さらに詳細を見たくなる構成になっているかが重要です。

これらのポイントを意識しないメールは、送り手側の意向や営業要素が色濃く出やすく、読み取り手側としては、必要な情報とは認識してもらえなかったり、内容を理解してもらえなかったりします。
当然そのようなメールを読んだ方が、希望どおりの行動をしていただく確率は低くなります。
メールを作成する前には「こういうことを伝えたい」ではなく、「求められている情報を伝える」ということを意識しましょう。
そして、上記の3つのポイントを必ず頭に置きながら、できあがったメールが受信者にとって正しいタイミングで、受信者にとって必要な情報になっているかを、いま一度確認してみましょう。

これらのことができれば、過去掲載分「特別な方法なんて必要ない!?顧客エンゲージメントの構築」も、きっと叶うはずです。
はじめてのメールマーケティングにトライされる際、この記事の内容が少しでもお役にたてますと幸いです。